2015年9月8日火曜日

日本とはまた違う厳しさ

8月初旬にバルセロナに戻ってから、コルネジャのフベニールBに参加させてもらって約1か月経ちました。
プレシーズンでの練習、トレーニングマッチ、大会への参加を通じて、ユース年代の高いレベルのクラブがどのようにチームを構築して行くかという貴重な機会に恵まれています。

「移籍することは当たり前」の環境のスペインですので、今のチームには今季新しく契約した選手もいれば、生え抜きの選手、去年までは下のクラブでプレーしていたが活躍し引き抜かれた選手、バルサやエスパニョールに在籍していた選手、外国人の選手等、いろんな経歴の選手が所属しています。

育成年代でも年間のリーグ戦で活躍し、上位クラブからオファーがあればステップアップできますし、出番が少なければレベルを落として下位クラブへ行くことも可能です。

クラブだけでなく、選手もはっきりとしたヒエラルキーの中に位置しています。

「活躍すれば上位クラブへ引き抜かれる可能性がある」ことだけを見れば、選手には希望が持てる仕組みですが、逆を考えればシビアな世界です。


「活躍できなければクラブに残ることさえできない」...

これはプロの話しではなく育成年代でも共通のことです。



シーズンが始まって2節を終え、数人の選手が外れていってます。

このレベルでプレーすることが難しいと判断され、同クラブの下のカテゴリーへ落ちる選手、クラブには残れないと告げられる選手。一人、また一人と去って行きます。

また、シーズンが始まり、レギュラークラスと控えの選手の差も少しづつ出てきました。
もし、今シーズンレギュラーとして残れなければ、来シーズンは下位クラブへ移籍しなければなりません。もし、レギュラーとして活躍しても、新たな選手が獲得されれば出番はなくなります。

また、20名強選手がいて、試合の前日にメンバーが召集されます。ベンチも含めて16名ですので、外れた選手には危機感が募ります。

だからこそ練習では気が抜けません。

当然長いシーズンですので、ケガや不調から控えの選手にもチャンスはめぐってきます。そのための準備を日ごろから怠っていてはそれをものにできないでしょう。

もし試合に出れなくて、もしくは召集されなくてふてくされてしまえば終了です。そこには上を狙う選手がたくさんいますから、甘えは許されない状況です。



そしてこれは指導者も同じ仕組みです。

活躍すれば上位クラブへ引き抜かれ、だめならシーズン途中でも解雇です。能力のない指導者は誰も雇ってくれません。

日本の育成年代の選手たちは仕組みは違ってもある程度厳しい環境にいる選手もいますが、指導者の場合は異なるのが現状ではないでしょうか。

ただ、僕の予想としては、日本の指導者もそういう風になる日も近いと思います。何故なら、これから10年間、日本の育成年代のクラブの在り方は大きく変化して行くだろうと思うからです。

すでに変化は始まってますが、もうそろそろ、目に見える形で動き出すのではないでしょうか。

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