海外で生活していると、当然ですが日本との習慣や文化の違いは歴然です。大きなことからディテールまで実に様々な部分で違います。
スペイン人は昼、午後2時くらいから4時くらいまでの食事を重要としていますが、日本では夜の食事が重要です。昼食でビールやワインを飲むのは日本では考えられませんね。
様々な違いは、主に宗教や歴史的な様々な蓄積がそうさせているのでしょうね。
その昔、アダムとイブは何不自由なく暮らしていましたが、楽園を追放され働かなければならなくなり、それから仕事は「罰として与えられたもの」だという認識でしょうか。ですので、こちらの人はなるべくなら働きたくないという感覚かもしれません。
一方日本は「神様から与えられた大事なこと」と捉えているため、仕事熱心なのかもしれません。いくら日本人が海外から見て「働きすぎだ、何のための人生なのか?」といわれても気質的にそうであり、日本の社会が文化としてそうなのだから当然のことです。スペイン人にもっと働け!といっても受け入れらえないのと同じです。
しかし、ここで重要なのはどちらかの優劣ではなく「違いがある」という事実だけです。
文化や慣習に優劣はありません。常に「違い」だけです。
ルネサンス期の絵画を見ると、キリスト教圏の思想がうまく反映されていると思います。遠近法(パースペクティブ)は絵画を描くリアリズムの手法ですが、それは常に中心を持ちます。レオナルドダヴィンチの最後の晩餐の遠近法の中心にいるのはキリストです。
当時の絵画や建築は形式的に必ず中心を持っています。
一方日本は仏教をベースとしながら多神教です。目の前の様々な自然に様々な神が宿っていて自然と一体になって生きてきました。
海外に出ると日本のことが以前よりも増してよく分かります。良い部分も悪い部分も。
僕はフットボールをスペインで学び、日本の良さに何をプラスアルファして行くかを考えたいと思ってます。日本がすべてだめでヨーロッパが正解といった短絡的なものではなく、日本の良さを生かしながら。
しかし、まだまだ日本がフットボールにおいて発展途なのは明白です。
フットボールの捉え方、日々の練習、週末の試合の考え方、環境の面、厳しさの面、フットボール先進国にはまずない学校とスポーツの関係(スポーツで進学すること)、テクニックと戦術、移籍とステップアップ、そういう意味ではヨーロッパや南米のフットボールを知ることはとても重要なことだと思います。
前日本代表のオシム監督が言ったように「日本のサッカーのレベルを上げるには、選手ではなく、まずはコーチが海外に行った方が良い」と言葉に共感します。
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