日本で(僕の言う日本とはだいたい九州限定です。関東やその他の地域は知りません)例えば小学生のチームが
何らかの大会の予選をリーグ戦であれトーナメントであれ一日に2~3試合行う場合。
対戦相手の情報どころか、どこと対戦するかさえも当日決まる場合、大抵は「力関係」だけで勝敗が決まってしまいます。つまり「個々の能力だけで」勝敗が決まりやすい状態になります。
何故なら、対戦相手を仮定したトレーニングや、その場で臨機応変に対応するのが難しいからです。
しかし、それが1週間、その対戦相手に対する準備をする時間があればどうでしょうか。
相手の特徴や戦術、キーマンを考慮してどのように戦うかをトレーニングできます。
そうすると何が起こるかというと、格下のチームでも上のチームに十分勝つ可能性ができるということです。作戦が上手くはまれば勝利することができる。
しかし、そうでない場合、上述のようなオーガナイズで日本でよくある従来通りの一日にたくさん試合をするような場合では、その準備が上手くできません。ですので、「力関係で上にある」チームが勝つ可能性が高くなるのではないかと思います。
1日1試合です。週末の土日のどちらかで1試合のみです。その1試合のために準備をして臨みます。でも、それはプロでも同じです。チャンピオンズリーグや国王杯など週の途中で入ることもありますが、基本的には1週間で1試合です。
トップがそれなので当然、育成年代も含めすべてそうなっています。
こう比較すると、それがトレーニング方法や目的にも影響しているように感じます。
週末に、だいたいは分かっていても最終的にはどのようなチームと試合をすることになるかが分からない場合、または分かっていても2~3チームとも戦術や特徴が違う場合、それに合わせた「対策」を練って表現するのは不可能に近いことです。
であれば、通常のトレーニングは「戦術的」ではなく「力関係で上に行く」ためのトレーニングになります。そのためには「個人レベルの向上」にスポットが当てられます。
日本でのトレーニングの在り方は、コーチのレベル云々の問題もあるかも知れませんが、環境がそうさえている部分も多々あると思います。
このような環境では「戦術よりも個人技の向上のみ」に傾倒しがちになります。
スペインで試合を見ていて感じたのは、意図が分かりやすいということです。カオスではない。
一緒に見ていた方が「整理されている」と表現していましたが、そういう感じです。
何を狙っているか。そのために選手個々がどのように動いているか、何が許されないプレーで何が許容範囲か。試合のプランがはっきりすればするほど、選手たちにはわかりやすく、起こる状況を事前に予想してその対応策の2、3、4つ先までイメージを共有することによりチームの力は上がります。そうすることにより、各上の相手にも十分「勝つチャンス」ができるのは「フットボールの面白さ」だと思います。
それはフットボールの「本質的な部分」であると思いが、その本質を欠くと、違うものになってしまいます。
少しづつ日本でもリーグ戦を根付かせようという動きになってきていますが、早くそうなるのを期待しています。そうなれば何が起こるかというと、指導者(コーチ)の質の向上です。
何故なら、相手チームを分析する力やそれに対応する戦術的知識は勿論、週のトレーニングをどう構築するか、年間のリーグをどのように戦うか、様々な今までにない問題が出てくるので、それらをクリアするためにもっと向上しなければならなくなるからです。
そして、更に言えば、結果が出なければジュニア年代でのコーチでさえクビになるような環境が望ましいかと思います。(良し悪しがありますが。少なくとも現状の閉塞感を打開するには)
厳しい環境では常に「向上する」しかありません。そしてそれが「フットボール」では当たり前の世界です。
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