2015年9月20日日曜日

シビアな競争を勝ち抜くこと

スペインでの育成年代の環境を見ていると、選手たちは常に毎年新しい環境に身を置くことになり、それに適応できる能力が必要だと感じます。

例えば監督が代われば練習方法、スタイル、規律のゆるさ厳しさ、チーム内のルールなど様々な部分が変わります。
日本の育成年代だと同じ監督やコーチに続けて欲しいとの声もよく聞きましたが、サッカー選手として監督が変わり、それによって試合に出れなくなったりポジションを変えられるのはよくあることで、選手はそれに適応しなければなりません。

そしてチームにフィットできず出場機会がなくなれば移籍になります。

スペインではこのシビアな環境を選手たちは乗り越えて行きます。
例えば、現在僕が所属しているクラブでは20名強の選手が所属しており、週末の金曜日の練習後の試合のスタメン、ベンチのメンバーが発表されます。先週はスタメンだったのに、今回はベンチ外になることもあります。対戦相手の分析から、また選手のコンディションや活躍、いろんなものが考慮されて決定されます。
週末の試合に向けたセットプレーの練習では相手役をやる選手は「今週は出場できないかも」と思いますし、そこで腐ってしまえばどんどん機会はなくなります。

常に毎週末の試合と日々の練習で評価されるため、気を抜くことができません。日本の負けたら走らされる、監督が怖いなどとは違う、本質的な厳しい環境です。

このクラブへ行けば上手くさせてもらえるといった他力本願ではなく、自分が結果を出すことが次のステップになる。
クラブと選手の序列化がはっきりとなされており、選手だけでなくコーチも競争原理に組み込まれています。やるかやらないかは自分次第。
それがスペインでは文化として根付いているので、一般の人でも「サッカー選手になる難しさ」を良く分かっています。
日本でよく売っている、フィジカルがなくても戦術を鍛えればサッカー選手になれるとか、強豪クラブのセレクションに合格する方法などどいった嘘のような書籍は一切ありませんし、子どもをサッカー選手にする方法などの書籍は存在しません。
その一般レベルでの成熟度の違いが、日本とスペインの大きな差の一つではないでしょうか。
夏に帰国した時に書店のスポーツコーナーを見ましたが、サッカーが上手くなるための方法などの書籍がずらっと並んでいるのをみると、世界との違いを感じます。

ただ、スペインに来て日本の良さ、スペイン人よりも優れているところも分かってきました。スペインの考えをそのまま日本に持ち込んでも通用しないですから、上手く適合させなければなりません。

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